「トカイナカ」とは

皆さんこんにちは!タマスラです!

 

このブログでは、いろんな街紹介や旅先の話を主にさせていただいておりますが、今回は私が気になっている言葉について話をさせていただきたいと思います。

 

今回のテーマは「トカイナカ」についてです。(画像はイメージです)


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トカイナカとは、都会に近く、また都会へのアクセスの良い田舎を指し、都会と田舎という言葉を組み合わせたいわゆる造語になります。

似たような言葉としては、ベッドタウンがあります。

近年、都会から田舎への移住が盛んにおこなわれていますが、ここまで盛んになった理由は都会は住みにくいと考えている人が多いからではと思います。

 

都会の利点を簡単に挙げると、交通の便がいい、娯楽が多いといったものがあります。都会はキラキラしていて進学や就職をする際に憧れを抱いたり、旅行で行ってみたら楽しそうといった印象を抱く方が多いと思います。

しかし、住むとなると話は別です。実際は、物価や地価が高く貯金がしづらい、交通量が多く自動車での移動が困難、更には満員電車によるストレスがあるといった欠点があります。都会で暮らした方の話を聞くと、こういった話をよくされている方が多く、意外と都会暮らしは大変だという印象を受けました。

また、近年は、「若者の貧困化」という言葉にもあるとおり、賃金が低いゆえに若年層がお金を自由に使うことが難しいといった問題があります。そのため、物価や地価の高い都会で暮らすことは、若年層にとってより一層困難を極めています。

 

では、仮に都会を離れて田舎に住むとなるとどうでしょうか。田舎は空気が綺麗なところが多く、なおかつ物価や地価も安いです。しかし、交通の便はあまりよくなく(電車が1時間に一本など)都会に比べて雇用が少なく、平均賃金が低いという問題があります。

 

つまり、都会にも田舎にも利点と欠点があり、どちらがいいとも言い難いです。

 

そんな中、「トカイナカ」というのは、両方の利点を組み合わせており、また、互いの欠点を補っています。都会の価格が高いため地価や物価の安い田舎に住むが、仕事は都会の方が多いため都会まで通勤を行うといった具合です。近年、この「トカイナカ」という言葉が注目されているのも、この両方を合わせてシナジー効果が期待されるからだと思います。

 

さて、このトカイナカの例で、私が注目しているエリアを紹介したいと思います。

(1)兵庫県丹波地域

まず兵庫県丹波地域は、場所的には兵庫県の中部になります。これに属している街として丹波篠山市丹波市を挙げさせていただきます。

丹波篠山市は人口45000人の街です。また、以前、ブログでも紹介させていただきましたが、丹波ブランドである丹波栗や丹波黒の有名な街でもあります。

また、丹波市については、丹波篠山市の一つお隣の街で、人口は65000人程度です。もともとは、青垣町市島町氷上町柏原町春日町山南町の6つの街でしたが、平成の大合併の時期に上記6つの自治体が合併して現在の丹波市へと移行しました。名所としては、日本で最も低い分水嶺である石生の水分れ公園があります。

この二つの街についてですが、大阪駅から丹波路快速という列車が走っています。丹波篠山市の中心駅である篠山口駅については乗り換えなしで行くことができ、丹波市についても中心駅の柏原駅まで(ダイヤによりますが)乗り換えなしで行くことが出来ます。

つまり、乗り換える手間がなく、大阪まで通勤可能というわけです。因みに所要時間についてですが、篠山口駅から大阪駅までは1時間、柏原駅から大阪駅までは1時間20分です。時間がかかりますが、その他にも特急きのさきというのに乗車すれば、それよりも早く到着できます。(ただし、余分に特急券が必要ですが、この車両を用いて通勤特急としたら需要があるのではと思っています)

残念なことに、丹波篠山市丹波市については人口が減少傾向にありますが、三大都市圏である大阪からのアクセスが良いため、発展する余地のある街々だと思います。

以下、丹波篠山市の位置
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(2)滋賀県湖南地域

滋賀県湖南地域は近年ベッドタウン化が進んでおります。日本の都道府県の人口増減率を見ても、滋賀県については増加になっておりますが、昔から自然災害が少なく、かつ人が密集していない地域であることから住むのに適した環境であるとみなされていると思います。

ここでは、草津市守山市を挙げさせていただきます。

草津市守山市についても、もともとはそこまで大きい自治体ではありませんでした。しかし、新快速が止まる駅(南草津駅草津駅守山駅)であることから、交通の利便性の高い街です。滋賀県ベッドタウン化が進んだ要因として、この新快速にあると思います。

南草津駅草津駅守山駅いずれも駅周辺に高層マンションが立ち並んでいます。そのため、最初に行った時は都会という印象を受けましたが、少し駅を離れると田園風景が広がっていました。人と自然と共存している街という印象があり、典型的な田舎でした。アクセスについても、大阪駅までであれば、南草津駅からは50分、草津駅は53分、守山駅は1時間で着きます。

今度この二つの街については散策してじっくり調べてみたいと思いますので、紹介はここまでにさせていただきます。

以下、守山市の位置


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(3)岐阜県美濃東部

岐阜県の美濃東部についても注目をしています。これに属する街として、多治見市、可児市などがあります。

岐阜県の美濃東部は山の中にあり、盆地が広がっています。また、多治見市については国内最高気温を観測して日本一暑い街として有名になりました。美濃東部についても上記2つと同じく典型的な田舎であると思います。

美濃東部は三大都市圏の一つである名古屋から近いです。というのも、JR名古屋駅から中央本線を通って多治見市の中心駅である多治見駅まで列車が走っており、名古屋鉄道であれば可児市にある新可児駅までの列車が名古屋から走っております。

所要時間についてですが、名古屋駅から多治見駅までは35分、名鉄名古屋駅から新可児駅までは52分で着きます。(帰宅の時間帯にはホームライナーという特急列車が名古屋駅から瑞浪市瑞浪駅まで走っております。因みに瑞浪市についても、美濃東部の街ですが、このホームライナーという列車に乗車すれば45分ほどで着きます)

列車でのアクセスがばっちりであることから、近年名古屋市ベッドタウンとして発展している同じ岐阜県大垣市岐阜市よりも発展の余地があると思います。

東海地方と言えば、東海道本線を通る大垣から名古屋方面への列車(特別快速、新快速など)が重要であると思いますが、名古屋から美濃東部まで向かう列車も負けてはいません。実際、まだきちんと訪れた事が無いエリアであるため、実際に行ってみて調査したいと思います。

以下、多治見市の位置


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以上3つのエリアを例にトカイナカについて書きました。

では、トカイナカが今後進み、なおかつトカイナカとして成功させるために必要不可欠なことは何か。

それは鉄道やバスといった交通網を発展させることだと思います。

 

3つのエリアに共通している点として、まず三大都市圏(大阪、名古屋)へ乗り換えなしで行ける点があります。また、所要時間も1時間以内で収まることが多く、不便と感じることも恐らく少ないでしょう。

都会へと行きにくいと考えている理由としては、単純に不便であるからだと思います。また、距離があるため、移動が面倒であるからというのもあります。(私自身が田舎出身であるため、それは常々感じておりました)

 

いざ就職や進学するとなると、田舎よりも都会の方が選択肢が多いため、都会へと出たいと思うのは必然的なことでしょう。しかし、先ほども申し上げた通り、若者の貧困が社会問題化していることから、若年層にとって都会は住みにくい環境となりつつあります。また、快適な住環境で子育てをしたいという子育て世帯にとっても、空気が綺麗で、なおかつ子育てへの金銭的負担の少ない物価の安い田舎に住みたいとお考えの方も多いと思います。

 

そんな中、田舎から都会まで行く手段として鉄道やバスは重要な役割を果たしております。トカイナカとして知名度を上げるには、まずこの分野に注力し、インフラを固めていくべきではないでしょうか?

例を挙げると、特急列車の定期券の販売価格を下げたり、一定の需要が見込まれるエリアで通勤用の特急列車を走らせるといった具合です。

(事例としてはJR四国で発売されている「快てーき」があります。この「快てーき」は、長距離で通勤通学する方向けに(普通車自由席限定ですが)特急列車を利用できる定期券です。

四国地方、特に愛媛県については都市間の距離が離れているため特急列車の需要があります。実際、愛媛県南予地方から県庁所在地の松山までの通勤通学の手段として、この「快てーき」を用いて特急列車に乗車する方が多くいらっしゃいます。)

 

トカイナカについて書きましたが、ここまで読んでいただいた方はいますでしょうか?

まだまだ不勉強な点もありますが、調べていくうちにこの「トカイナカ」というのは面白いものであると思います。今後、まだまだ発展の余地のある「トカイナカ」の例がありましたら、調査してみたいと思います。

 

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!